【7/19、登山1日目】 |
7/16に大山で最終トレーニング?を行い、今年最初の百名山に挑む。数年前から1泊2日で計画していたが、寄る年波で2泊3日に修正。
大鹿村からの道がナビの案内では不安なので、大鹿村役場に寄って地図を頂いた。案の定ナビは違うルートを案内していた。
鳥倉ゲート駐車場(越路駐車場)に着くとほぼ満車状態で、空きは5、6台位だった。平日でこの状態だから土日は恐ろしいだろう。第2駐車場もあるが、かなり手前で1台も停まっていなかった。 |
鳥倉ゲート駐車場 |
11:52 鳥倉ゲートPスタート
登山届けは電子申請したのでパスしてゲートから進む。
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いきなりの舗装道路歩き。登り勾配で、後日データを見ると登り80m程度。左側崖の崩落が通行止めの原因だろうか? |
クガイソウ?・ヨツバヒヨドリが多く咲き、シモツケソウ・アカショウマ・ヤマオダマキ・キリンソウなども少々。ヨツバヒヨドリにはお約束のアサギマダラが舞っている。 |
12:38 鳥倉登山口
50分位の舗装道路歩きで既に疲れた。この道路なら自転車があればラクチンと思っていたら、自転車が1台。うらやましい。
登山口の看板には「南アルプス大鹿登山口、豊口ルート」と書いてあるが、当HPでは山地図の「鳥倉登山口」とする。
登山口からいきなりの急登に驚く。下ってきた人に急登が続くのか尋ねると「残念ながら・・・」と正直な答えだった。 |
20分位登ると「三伏峠小屋まで1/10」の標識が出た。エー!まだ1/10とガッカリだったが、以降は唯一の励みになった。
13:11 (休)、14:09 (休11分)、15:03 (休)何度も休み、何度も追い越される |
昼の一番暑い時に急登は辛い。それに比べ帰ってくる人達のさわやかなこと。もうすぐゴールだから、下りだからと思ったが、復路で自分が下ってみると塩見岳の達成感から湧き出るものだと実感した。 |
テレビでよく見る桟道。思ったよりしっかりしていた。 |
ハウルの動かない橋? |
15:11 ほとけの清水(標識6/10と7/10の間)
雨樋を伝って一筋の清水が流れ落ちている。ビジュアル的には問題だがオイシイ。 |
15:48 塩川小屋分岐(標識8/10から5分)
「塩川小屋下道路崩落のため全面通行止」
標識9/10付近からガスってきた。 |
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16:19 山伏峠小屋ゴール
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約4時間半(コースタイム3:50)、7.5kmの1日目終了。
小屋の前に花畑があり、カラマツソウ・ハクサンチドリ・シナノキンバイなどが咲いている。
小屋の外に流し台があり、洗面用の水が使える。(飲用不可とのこと)
新館?の東にテン場があり、10張り位あった。
1泊2食:8500×2=¥17000
弁当:¥1000(稲荷2個、おにぎり2個)
水2L:¥600 |
寝室は各グループごとに隙間が取れる余裕あり |
5時からの夕食は、天ぷらがメインで、ソバが付いていた。 |
新館 |
テン場 |
鳥倉登山口から三伏峠小屋までの花
センジュガンピ・キリンソウ・シロバナヘビイチゴ?・ギンリョウソウ・ゴゼンタチバナ・マイヅルソウ・コンロンソウ?・終った?エンレイソウ・カラマツソウ・キバナノコマノツメ・キソチドリ・バイカオウレン・・・ 19日の花の写真はこちら |
近くのお花畑に行ってきたという単独男性が名前の解らない花があると言う。花にはちょっと自信があるのでデジカメを見せてもらったら、ヤマハハコの花が黒くなったような花で、葉には毛があった。クロトウヒレンと似ているが解らなかった。
食後の散歩にお花畑へ確認に行った。すぐ近くと思ったら意外と遠くどんどん下って行く。水場の手前にお花畑があった。
ハクサンチドリ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイなどがフェンスに囲まれている。少ないがハクサンフウロ、グンナイフウロ、バイケイソウ、オトギリソウ?・キバナノコマノツメなども見られた。
肝心の黒い花を発見し写真を撮った。(右写真)
(7/20の道中でも同じような黒い花がたくさん咲いていた) |
後日(7/26)、やっと名前が判明。タカネコウリンカという花で、黒い花だと思っていたが、これから黄色い花がでてくるようだ。 |
寝る前にビタミン剤と救心を飲み、その後に睡眠導入剤を飲んだら、異常に利尿効果が現われ@1時間でトイレ。深夜に不整脈が出て@30分でトイレになり寝た気がしない。 |
【7/20、登山2日目】 |
5時前に朝食が始まった。
シャケ、生卵、高野豆腐、味噌汁 |
朝食後、外に出ると塩見岳の右側から朝日が昇るところだった。一眼を取りに戻る時間が無いので、コンデジで撮影。 |
5:48 三伏峠小屋スタート |
テン場から下ると分岐がある。左の塩見岳へ行く。
昨日は右のお花畑に行った。 |
6:10 三伏山、2615m(休7分) |
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三伏山から東北東方向の展望、目的の塩見岳が朝日にまぶしく、左に白鳳三山、右に蝙蝠岳を従えている様は圧巻だ。 |
三伏山から南方向の展望、悪沢岳が頭を出し、赤石岳と聖岳も見えた。 |
三伏山から南西方向の展望、 三伏山より振り返ると三伏峠小屋が山中にポツリ。その左には、昨日行ったお花畑が見える。 |
三伏山から北方向の展望、西から北方向は雲海で北北東には仙丈ヶ岳が見え始めた |
三伏山から北北東方向の展望 |
7:20 のぞき岩、下を見ると股がスースーする |
見える景色は素晴らしいが、体調は最悪。
不整脈と睡眠不足が重なり、登りで足が止まってしまう。5歩、10歩で立ち止まり、数分ごとに休憩。ここなら引き返せると何度も撤退を考えた。
リュックを枕に寝ることも数回。一眠りするごとに少し歩けるが、鉛の足が続いた。撤退は塩見小屋に行ってから考えようと、牛歩する。(牛より遅かったかも)
写真を撮る気力もなくなり、副隊長にカメラを預けた。 |
7:56 本谷山2,658m(休31分)
ここで一眠りし、8:27 本谷山発
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本谷山の 三等三角点:黒川 |
《本谷山三角点データ》 2017/7/17調べ
基準点コード TR35338218201
等級種別 三等三角点
基準点名 黒川
北緯 35°34′15″.3191
東経 138°09′06″.0213
標高(m) 2658.33
作業内容 標高改算
作業年月日 20140313
2014/04/01正常 |
10:31 塩見新道分岐 |
10:59 塩見小屋着(昼休1:10) |
柱間に3個のシュラフ、ここが我々の寝場所 |
小屋内で三伏峠小屋の弁当を食べる。稲荷×2と梅おにぎり×2で、ご飯がベチャベチャ、おにぎりとお新香が異常に酸っぱい。不安と戦いながら口に放り込む、ああ1個で良かった。
20分?位昼寝をしたら不整脈がほぼ治まった。山頂に雲が出てきているので、登頂は明日でも良いが、3日目の行程が長くなるので、予定通り今日の登頂を続行することにした。
今朝、三伏峠小屋をスタートした人達が既に山頂から戻ってきたので山頂の様子を聞いた。ほとんどが岩山で両手を使うためストックは邪魔、鎖の設置はまったく無いので危険とのこと。 |
三伏峠小屋から塩見小屋までの花
シャクナゲ・タカネコウリンカ・ツマトリソウ・ゴゼンタチバナ・バイカオウレン・キバナノコマノツメ・ハクサンチドリ・シナノキンバイ・グンナイフウロ・コケモモ・マイヅルソウ・・・
20日の花の写真はこちら
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12:09 塩見小屋発
ストックは置いてスタート。最初はハイマツとシャクナゲが茂る登山道で、登山道に突き出た枝が痛い。 |
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3-40分もすると岩稜地帯になる。
ハイマツから雷鳥が現われそうな天候だが、お目にかかれない。
この後、山頂付近で猿を見かけた。雷鳥が出てこなくて良かったと思った。北岳では雷鳥の子供が猿に食われると言うので、ここでも同じかもしれない。 |
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話に聞いた岩場の長いこと!五竜岳の数倍に感じる。危険度はツルギ以上かも
岩稜は赤石山脈特有の赤色のラジオリヤチャート(放散虫などが海底に堆積してできた岩石)が見られる。 |
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岩稜地帯の割りに花の種類が多くて進めなかったが、おかげで、あまり急がず登ることが出来た。
シコタンソウ |
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右写真、上の花はシコタンソウ。アケボノソウのように花びらにきれいなドットがある。
右写真、下の花はタカネツメクサ?他の写真で確認すると葉が線形で細いので、間違いないだろう。
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定番のハクサンイチゲ
よく見る花なので、あまり撮らなかった。(がんばって撮っても白い花は難しい)
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13:27 塩見岳西・東峰(山頂24分)
幾たびかこの山を眺めては、いつかは登りたいと思っていた。
西峰には二等三角点:塩見山3047mがあるものの、最高地点は東峰3052mになる。
西峰山頂に誰もいないのでセルフで撮ったが冴えない。東峰から単独男性が帰ってきたので来るのを待ち構えて撮ってもらった。彼は蝙蝠岳に行ってきたそうだ。今回、蝙蝠岳に向かう人、行ってきた人に何度かあった。微妙に人気の山のようだ。
東峰に行って見たが、3052mの場所はどこだろうか?GPSのデータを見ると標柱の場所ではなく岩山に立った時が3052mに近かった
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西峰3,047m 標柱 |
西峰 三角点標石 |
《塩見岳西峰三角点データ》 2017/7/17調べ
基準点コード TR25338218401
等級種別 二等三角点
基準点名 塩見山
北緯 35°34′25″.6982
東経 138°10′59″.0853
標高(m) 3047.28
作業内容 標高改算
作業年月日 20140313
2014/04/01正常 |
東峰 3,052m標柱 |
いつもなら山頂から山座同定をするのだが、雲があって見えないだろうと思っていたことと、登れただけでも嬉しかったので、今回はまったく気にならなかった。景色は三伏山と本谷山で十分見たので良しとした。山頂から唯一撮っていたのは蝙蝠岳だった。9時頃に登頂した人は富士山が見えたと言っていたので、蝙蝠岳の左に見えたのだろう。
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13:51 塩見岳下山
我々がビリと思っていたが、単独男性が登ってきた。
下りは足掛りが見えない所もあるので、急がずあわてず自分に言い聞かせながら下った。
その後、もう一人が登って行った。右写真の赤丸がその登山者だ。
塩見小屋から塩見岳までの花
ハクサンイチゲ・イワツメクサ・ミヤマダイコンソウ・イワベンケイ・ミヤマミミナグサ・ミヤマキンバイ・コケモモ・シコタンソウ・クモマナズナ・イワオウギ・タカネツメクサ・イワツメクサ・イワウメ・イワヒゲ・ウメハタザオ・タカネヒゴタイ・タカネシオガマ・コイワカガミ・・・・
20日の花の写真はこちら |
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14:49 塩見小屋ゴール
約9時間(コースタイム5:40)、10kmの2日目終了。
1泊2食:8500×2=¥17000
弁当:¥1000(稲荷4個)
水2L:¥800(天水500ml/人は無料)
コーヒー:¥200
追加便袋:¥200×2(女性2袋、男性1袋は無料) |
16:25の塩見岳 新潟の霊感が強い?単独男性と山談義しながら塩見岳の写真を撮った。 |
17:00頃から夕食。カレーに唐揚とナス・カボチャの天ぷらが乗っている。カレーをおかわり、副隊長はスープをおかわり。これまでの山小屋カレーの中では一番おいしかった。 |
昨年新築の小屋はキレイで快適。寝室の柱間の1ブロックは3名分の寝袋とマットが置いてあったが、宿泊者は1ブロック1〜2名だった。小屋は収容40人なので推測すると1ブロック2名の計算かも?
トイレは別棟で不便、男子小は更に遠いのが残念。便袋も慣れないので不便だが、郷に入っては郷に従え。
(後日の情報で7/18、7/19は満室で予約が取れなかったそうだ。たまたま7/20で良かった。)
《クマが出た!》
暇つぶしに往復40分の水汲みに行ってきた男性がクマに遭遇したそうだ。20m位前にクマが現われたが、クマが逃げたので、「水をクマないで帰ってきた」と言う。本人は恐怖だったろうが、駄洒落に聞こえて噴出しそうになった。 |
17:34の塩見岳 この後で夕焼けと夕日を期待したが夕日が厚い雲に隠れてNG |
【7/21、登山3日目】 |
4時起床、4時半から朝焼けと日の出の写真を撮る。手がかじかむ程寒い。昨日は塩見岳の右側からの日の出だったが、今日は塩見岳と農鳥岳の間から昇った。朝食の呼び声で撮影終了。 |
4:41 夜明けを待つ塩見岳(右から2番目のピーク) Sony α6000 |
4:42 静寂の南アルプス Sony α6000 |
4:52 広河内岳付近より日が昇る Sony α6000 |
4:55 白鳳三山とご来光 Sony α6000 |
朝食は5時からで、シャケ・スクランブルエッグ・高野豆腐・切干大根・味噌汁など。二人とも味噌汁をおかわり。料理は、昨年からの管理人さんで、HPに料理の紹介もないので、まったく期待していなかったが、夕食朝食ともにおいしかった。 |
6:07 塩見小屋スタート
塩見岳にお別れ。便袋便所にもお別れし下山する。
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少し下った見晴らしの良い場所から、本谷山・三伏山・三伏峠小屋が見渡せる。
6:19 塩見新道分岐
7:03 (休) |
羽根を乾かしているのだろうか?
我々は自称「日本で二番目に遅い夫婦」だが、先に出発した二組の夫婦を追い越した。越されることには慣れているが、越すことに慣れていないので、妙な気分だ。 |
南に見える悪沢岳から聖岳の山なみを見納め(マウスオンで山名が出ます) |
7:46 本谷山着(休8分)、7:54 本谷山発 |
8:10 のぞき岩
中央アルプスが見える。同定出来なかったので後日の楽しみにしよう。赤枠部分拡大は下写真
8:30 (休)
8:56 三伏山 |
中央アルプスの山なみ。木曽駒から空木岳の縦走路が懐かしい(マウスオンで山名が出ます) |
9:10 三伏峠小屋着(昼休41分)
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水2Lを購入したので、お茶とコーヒーをいれてたっぷりと飲んだ。塩見小屋の昼食弁当はお稲荷さん4個でおいしかった。
食事している間に追い越した二組の夫婦も到着したので、我々の足が特に速かったわけでは無さそうだ。
9:51 三伏峠小屋発
10:31 (休)
10:58 (休20分)
休憩中に1組の夫婦が追いついてきた。三伏峠小屋で昼食にしなかったので早かったようだ。
昼食はカップラーメンとのこと。三伏峠小屋の弁当がまずかったので、塩見小屋では買わなかったようだ。話をすると神奈川の夫婦で我々と同じ生活圏なので、どこかで会うかも。 |
12:17 鳥倉登山口着(休6分) |
自転車が2台デポしてあった。今回の緩い舗装林道ならどんな自転車でも有効だろう。幌尻岳の林道往復36kmを折り畳み自転車で走ったが、があまりにも辛かったので、それ以降は自転車を使っていない。
12:23 鳥倉登山口発
単独女性と並んで歩き始めた。夫婦での登山をうらやましいと言う。数年前に夫を亡くしたという彼女に、かける言葉もなかった。1泊2日で登ってきた彼女はさすがに足が速く付いて行けなかった。
夫婦で登れることがとてもありがたいと思った。 |
13:03 鳥倉Pゴール |
約7時間(コースタイム5:40)、約13kmの3日目終了。
林道歩きのときは膝に違和感があったが、サポーターの世話にならずに終えた。
駐車場の混雑状況は19日より空きが少なかった。それにしても難儀?な山が好きな人が多いものだ。アブが多いので、速攻で撤退し、途中の空地で着替えた。 |