トレック日 2014年10月11日(土)快晴 山の
データ
平ヶ岳 2,141m 二等三角点:2,139.59m
場  所 新潟県・群馬県 深田久弥の日本百名山 、新・花の百名山 
甲信越百名山 、ぐんま百名山 、越後百山
メンバー せんぼく隊(senboku隊長・たかちゃん副隊長)
時  間
距  離
全行程 22時間45分
山行時間 
6時間41分(歩5:37分+休1:04分)
コースタイム7:00(送迎バスの予定コースタイム6:45)

距離:9.9km
標高差 標高差855m、累積標高差1,089m
移 動
P・WC
車(ノア)
P:奥只見山荘の駐車場
WC:
中ノ岐登山口に仮設あり



なが〜い平ヶ岳、姫ノ池より。左奥には至仏山。
地図 & 標高グラフ
《車のアクセス》
圏央道・海老名IC〜関越・小出IC 
距離:244km 通行料:往路平日¥6480、復路休日¥4890

関越・小出IC〜R352〜奥只見シルバーライン(無料)〜銀山平温泉
距離:27km
※奥只見シルバーラインのトンネル内で右折し、橋を渡り、右折。1.1km進むと枝折峠の分岐があるので直進すると銀山平温泉。各宿の案内などは無いので注意のこと。(私はナビの通りに進んだら枝折峠方向へ行ってしまった)
《トレックコース》
5:44 中ノ岐林道登山口よりスタート
5:48 渡渉、平ヶ岳沢の清水
6:17 朝食
(休20分)6:37
8:01 分岐B1、左:山頂へ(右:玉子石)
8:21 分岐B2広場、右:山頂へ(左:姫ノ池)
8:24 水場
8:27 分岐B3、右:山頂へ(左:姫ノ池)
8:47 平ヶ岳三角点〜平ヶ岳行止り
9:02 山頂広場に戻る
(休12分)
9:14 山頂広場発
9:28 分岐B3、右:姫ノ池へ(左:水場)
9:39 分岐B4、直進:姫ノ池(左:玉子石)
9:40 姫ノ池
(休7分)9:47
10:04 分岐B1、直進:玉子石(右:中ノ岐林道登山口)
10:09 たまご石
(休5分)10:14
10:18 分岐B1、左:中ノ岐林道登山口
(昼休14分)10:32
11:20
(休6分)
12:14 光苔
12:21 渡渉
12:25 中ノ岐林道登山口ゴール
《全行程》22時間45分
10月10日(金)13:20茅ヶ崎発〜17:40奥只見山荘(泊) 4時間20分
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10月11日(土)3:57奥只見山荘発〜送迎バス〜5:30中ノ岐林道登山口着〜5:44平ヶ岳登山12:25〜12:30中ノ岐林道登山口発〜14:07奥只見山荘〜14:20白銀の湯15:14〜16:00道の駅湯の谷〜18:02関越・塩沢石打SA(泊) 14時間
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10月12日(日)5:15塩沢石打SA発〜9:40帰宅 4時間25分
↓記録写真↓
 毎日々御嶽山の悲惨なニュースが流れて、気持ちが山から離れてしまった。
311東日本大震災の時と同じように、何事も楽しめない。連日のリアルな報道で、悲しみが人事とは思えず、ストレス反応?かもしれない。出かけられず、NET徘徊の日々を送っていた。

 NETで銀山平温泉・湖山荘の送迎バスの空きを見つけた。紅葉シーズンなので、まさかと思ったが電話してみた。結果はNG。ついでに奥只見山荘にも電話。HPでは送迎バスが満席だったが、偶然にもバスと宿の当日の予約が取れた。今年はもう登れないと思っていたが、重い腰を上げるキッカケとなった。

 当日の予約なので、夕方までに新潟に行かなければならない。あわてて、リュックと装備の準備、車のルート・温泉・コンビニなどを調べる。いそがしく出かけたので、あれこれと不安。
 予定は、1日目移動、2日目平ヶ岳、3日目予備日(越後駒ヶ岳)、4日目移動だが、偶然・突発的計画なので越後駒ヶ岳は未定で、体調と天気を見て決める予定。
10月10日(金)
前泊の奥只見山荘に17:40に着く。18:00夕食と聞いていたので、ギリギリセーフ。宿はきれいで若女将さんも感じが良い。料理はあっさりしているが手の込んだ作りで、作りたてを出してくれる。器がこれまた良い。山に登る前に、こんなに満足してしまって良いのだろうか。
10月11日(土)
3時に起きての準備は、早立ちしたことがないので、結構辛い。

3:57 奥只見山荘のマイクロバスで出発。揺れて乗り心地は最悪。それでも眠ってしまい揺れる度頭が窓に当たって目が覚める。


5:30 約1時間30分、定刻に林道終点に着く。既に他の宿の車がバス2台、ワゴン2台が着いていた。仮設トイレ、水場があり。運転手さんは皆待機のようで、炊事もできるようになっていた。

5:44 中ノ岐林道登山口よりスタート
奥只見山荘の運転手さん(山荘のご主人?)は、釣客と一緒に登ると言う。他の運転手が止めるように言っても聞かないらしい。

5:48 渡渉、平ヶ岳沢の清水
沢には木の橋が掛けられている。上空にはワイヤーが張ってあり、橋が流された時に使う籠?があった。銀山平温泉?のHPに登山シーズン前に橋を掛け、仮設トイレを設置している様子が載っていたことを思い出した。ありがたいことである。

6:17 朝食(休20分)6:37
紅葉を眺めながら約30分の急登。枯れ木のベンチで休憩し、朝食おにぎり初体験。奥只見山荘のおにぎりはきっと魚沼コシヒカリなんだろう、紅葉もお米もおいしい。

スタート時点ではヘッドライトは不要だったが、朝日は届いていない。やっと周りの山々が明るくなって来た。

木の根っこ階段の急登が続く。途中に「あと○時間」と書いた案内が微妙にうれしい。3回あったかも?

8:01 分岐B1、左:山頂へ(右:玉子石)
約2時間の急登が終わり、尾根に乗ると木道になり、分岐に突き当たる。これまで少なかった展望が一気に開け、正面に目的地の平ヶ岳が横たわっている。右のたまご石も気になるが、まずは目的地に向かう。少し歩いては写真を撮る。景色に足止めされ、池塘も表れ、嬉しくて進めない。

分岐B1を過ぎ、振り返ると玉子石へ向かった人達が小さく見えた。


分岐B1付近からのパノラマ

分岐B1から15分位で最初の池塘が現れる。北方向の山なみが美しい。
8:21 分岐B2と広場。
広場では8人位が朝食中。平ヶ岳を見ながらの優雅な食事も良いが、よくここまでガマンできたなと感心する。姫ノ池は広場を通って行くようだがパスし、山頂に向かう。

分岐B2から数分で水場の標識がある。
後日、テン場はどこかなと調べたら、この水場のようだ。そういえば木道以外に板敷きの広い部分があった気がする。

8:27 分岐B3、右:山頂へ(左:姫ノ池)
 分岐から10分位の緩い登りが終わると、苗場山のような平らな山頂だ。
バレリーナのようにクルクル回りながら写真を撮る。左の双耳峰は燧ケ岳。
 振り返ると、池ノ岳/姫ノ池も平ヶ岳のような山容だ。登ってくる登山者も見える。

 木道はすれ違いスペースがない。草を踏むには抵抗があるので、体勢が苦しい。
*******ここから山頂********
8:47 平ヶ岳山頂広場
「越後三山只見国定公園 平ヶ岳」の大きい注意看板があり、木道脇に幅2.5m位の板敷きが15m位に渡って続いている。湿原に出ないで、ここで休憩しなさいスペースだろう。

※写真は下山前に撮ったもの

山頂の看板


山頂の標柱?
三角点はというと、数m奥まった所にあり、山頂の標柱も立っている。大勢のハイカーが入れ替わり記念写真を撮っている。こんな広い山なのに、展望の無い猫の額のような所で、順番待ちとはコッケイであった。
後日写真を見ると、標高が2,141mと書いてある。ここは、山頂より1.41m低い場所なのに・・・平ヶ岳だからOKにしよう。

三角点データ 2014/10/12基準点成果閲覧
山名
コード
等級
点名
標高
平ヶ岳
TR25539410301
二等三角点
平岳
2139.59m
三角点のある山頂では、満足感がイマイチなので、広場から先へ行ってみる。前方にはアンテナ(アメダスの観測点?)が立っている。

行止りの手前の標識。
山頂標識かと思ったら平ヶ岳の説明だった。
8:55 山頂、行止り
柵があり「この先通行止め」の標柱がある。木道は無いが、踏み跡は続いている。そして、3、40m先に標柱が立っている。気になるが確かめるすべがない。
行止りからは西方向の展望も加わり、山頂中、一番の展望地だった。

後日、調べると本当の山頂2,141mはこの行止り付近のようだが、現地にはそれらしき標識はなかった。※GPSデータを見ると、行止り付近は三角点の山頂より1〜2mは高かった。

行止りの山頂から北西〜北の展望。池塘越しに 越後三山を望む。
左から八海山(入道岳)、中岳、越後駒ケ岳
9:02 山頂広場に戻る
山頂広場〜三角点〜行止りまでの往復27分。時間のほとんどは写真に費やした。ほかの休憩している人達から「時間が無い」「あと○分で下山」という声が聞こえる。姫ノ池と玉子石に寄って、昼食食べて12:15までに下山できるだろうか?
 せんぼく隊は時間を気にして歩く経験が少ないので、非常に不安だ。雄大な景色の中で、指を折って時間を気にするとは・・・・
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往路:3時間18分(歩2:58分+休20分 コースタイム?
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東〜南のパノラマ

 

南〜西のパノラマ
*******ここまで山頂********

9:14 山頂発
残る時間は少ないが、姫ノ池と玉子石は見たい。という事で、山頂は小休憩(休12分)で切り上げ、写真正面に見える姫ノ池へ。
9:28 分岐B3、右:姫ノ池へ(左:水場)
山頂には大きな木は無かったが、姫ノ池への登り斜面にはオオシラビソが多い。林を抜けると、池塘のある草原となる。


分岐B4付近の池塘と平ヶ岳
9:40 姫ノ池(休7分)9:47
大きな池塘が「姫ノ池」。
惜しいことに平ヶ岳が写らない。天気が良すぎて雲も写らないなどとわがままを言っている場合ではない。今日一番のショットを撮り、引き上げる。
 
 ここでうっかり。姫ノ池の場所は、池ノ岳の山頂にあるようだが、山頂の標識類を見た記憶も写真もない。

姫ノ池の標柱、池ノ岳とは書いていない。ここが正規?ルートの「鷹ノ巣コース」への分岐となっている。

姫ノ池から分岐B4へ戻り、池塘の所から右の玉子石方向に行く。登山道は全て木道になっている。
10:04 分岐1、直進:たまご石(右:中ノ岐林道登山口)では、運転手さんが釣客の下山を待っていた。巻機山や越後駒ヶ岳を教えてもらい、玉子石へ。

10:09 玉子石(休5分)10:14
分岐1から約5分で着く。見るまでは、奇岩なら燕岳・空木岳でたくさん見たのであまり期待していなかったが、玉子石・池塘・山なみの三点セットはなかなかであった。玉子石が顔に見えて面白い。
《 越後三山 》
左から八海山(入道岳)、中岳、越後駒ケ岳


玉子石より撮影

玉子石より 西〜東のパノラマ

パノラマ写真を撮り忘れたため、無理やり繋げた写真です。

10:18 分岐1、左:中ノ岐林道登山口(昼休14分)10:32
運転手さんと釣客はまもなく合流。運転手さんが下山しなければバスは出ないので、一安心し昼食にした。とは言っても食べている間に運転手さんたちは下って行ってしまった。
10:32 昼食後、分岐1より下山開始。予想では1:30程度で下れると思っていたが、木の根っこは意外と下りにくい。こんな急登をよく登ったもんだと感心しながらピッチを上げて下山。

11:20 (休6分)途中で運転手さんと釣客を追い越したまでは良かったが、ピッチを上げ過ぎたことと、木の根っこ階段はストックが使いにくいことで、副隊長の膝が危うくなってきた。釣客や他のグループでも膝が痛くなった人がいた。休憩後、一気にペースダウンとなり、最後尾となる。

あーーー 11:45 朝食を食べた場所で休憩。朝は日が当たっていなかったが、今は日差しを浴びて紅葉がまぶしい。

12:14 光苔
藪の中から名前を呼ばれた。運転手さんが呼んでいるので、登山道から分かれて行ってみると岩穴に見事なヒカリゴケ。

ペースダウンのおかげで良い者を見られたが、写真はいずれもピンボケで残念。登山道から数分で道はまだ踏み固められていない。道標もないので、開発中?のスポットだろう。

あーーー
紅葉のことは頭に無かったが、ドンピシャの紅葉に得した気分になった。

12:21 平ヶ岳沢の清水、渡渉
帰宅後のコーヒー用にと平ヶ岳沢の清水を持ち帰る。
12:25 中ノ岐林道登山口ゴール
目標の12:15は過ぎたが、バスの出発時刻の12:30にはかろうじて間に合った。運転手さんが一緒でなかったら、相当あせったことだろう。清水を汲んでいる間にも越され、本当にビリと思いきや他の宿のバスがまだいるので、我々のようなドン亀がまだいるようだ。このコースはそんな人たちの救いのルートだった。
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復路:3時間11分(歩2:39分+休32分)
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↓それから↓

12:30中ノ岐林道登山口出発、途中、中ノ岐川と二岐沢の合流地点で休憩。深田久弥は、二岐沢を遡行し、5日間かけて平ヶ岳に登ったという。

14:07奥只見山荘着

14:20 奥只見山荘から道路向かいの「白銀の湯」¥650へ
食堂が無くガッカリ。副隊長は奥只見山荘のソバが食べたかったらしい。

「道の駅ゆのたに」のレストランは16:00なのに閉店。
結局、道の駅の出店で、きのこソバにありつく。きのこが美味しかったので、ヒラタケとナメコを買って帰った。

↓勉強コーナー↓
《中ノ岐ルートについて》
 このルートは、1986年10月に行われた現皇太子の平ヶ岳登山に利用され、そのためコースの登山道は整備されたということだ。皇太子の登山以後もこのコースは密かに利用されていたようだ。
 ところが1988年頃にこのコース付近で遭難事故が起こり、一般者の入山を制限するため中ノ岐林道入口にゲートがつくられ、林道は通行止めにされたようだ。しかし、管理は厳密に行われずその後も一般車両が自由に入れたらしく、ネットの山行記録を見ても1994年にゲートを通り抜け林道終点まで車で入っている例がある。まして百名山ブームが到来して、平ヶ岳へ短時間で登るためにこの林道を利用する人が後を絶たなかった。
 そこで、この地に利権を持つ旧湯之谷村銀山平の住民が遮断機式のゲートを設け、一般車の通行を完全に禁止した。それ以後、この中ノ岐林道を使って平ヶ岳へ登るにはこの地に利権を持つ銀山平の民宿や旅館に宿泊し、通行許可車両で林道終点の登山口まで送迎されるというツアー登山が行われるようになった。

《 鷹ノ巣ルート(いわゆる正規ルート)で登った方のHPより抜粋》
・・送迎バスで中ノ岐林道の奥まで送ってもらえショートカットで登れることを知った。これが百名山ブームの社会問題ともなっているようだ。これに乗って楽して行っても百名山狙いの人達と同じとなってしまうと思い、鷹ノ巣からの長いコースに挑戦することにした。

《深田久弥が登ったルートは二岐沢から》
 日本百名山を選定した深田久弥が昭和37年(1962年)9月に平ヶ岳を登頂した時に二岐沢から遡行している。その時は船で奥只見湖を渡り、中ノ岐川の左岸に上陸し川沿いを進みこの二岐沢合流地点までやって来た。そしてこの合流地点から二岐沢を遡行して上流の平ヶ岳先ノ沢に上がり、沢をつめて池ノ岳に登り、さらに平ヶ岳を登頂している。当時は未開拓のルートだったので、大変苦労したようだ。
↓後記
 中ノ岐(なかのまた)コースは非正規ルート呼ばわりされていることは知っていたし、私も閉鎖的で利権がらみでは?と感じていました。体力があるならば鷹ノ巣登山口からのロングコースに挑みたい。しかし、現実は体力ナシ、テント泊は無理なので、不可だ百名山であった。ということで、好き嫌いは置いといて、選択肢は中ノ岐コースしかない!。

 中ノ岐コースの問題は、宿とバスがセットなので予約を取らなければならない。花と紅葉の時期はメチャ混みで1ヶ月以上前から満員の日もある。事前予約の場合、悪天候のリスクが大きいことにある。

 せんぼく隊の基本は天気を見て決行なので、事前の決定は少ない。今回は天気を見て当日の予約ができたので幸運だった。幸運は更に、宿が良くて料理もおいしい、快晴、景色良し、紅葉がきれい、と続く。・・・が、下山中に副隊長の膝が痛み出した。これまでのように歩けないほどではないが、大事をとって
次の日の越後駒ヶ岳は中止にした。以前なら、交通費がもったいないと思ったが、百名山が残り13座となると登ってしまうのも「もったいない」と妙な気持ちも出てきた。
またいつか、越後駒ヶ岳登山の折は奥只見山荘に泊まりたいと話をしながら帰路に着いた。

 結果として、中ノ岐コースは良いルートであった。最大の成果は副隊長の膝が痛み出したが短いコースのおかげで無事に下山できたことだ。これが正規?ルートだったら、歩けなくなりダウンしていたかもしれない。
 銀山平温泉関係者が橋やトイレを設置する様子をHPで見た。その努力や全員下山まで待機していることなどで、安心して登ることができたので、感謝しています。
 
体力が無くても山が好きなことには皆同じ。どうにかして登りたいのである。車・バス・ロープウェイで標高を稼ぐことと違いは少ないと思う。いつまでも中ノ岐コースを継子扱いにするのはいかがなものかと感じた。(自分が鷹ノ巣ルートをこなしていたら、どんなHPになっていただろうか?真逆の意見になっていたりして?)登りかたは人それぞれということでしょうか。

《データ》

写真S95:39枚、NEX5R:70枚、TX5:142枚、合計251枚
走行583km、通行料¥11,370、奥只見山荘¥26436/二人、合計5.6諭吉
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HP03-341

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快晴・大展望・紅葉と運を使い果たした山行
平ヶ岳 中ノ岐(なかのまた)ルート

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