トレック日 2014年7月28、29日 山の
データ
飯豊山(いいでさん) 2,052m
一等三角点飯豊山を確認
深田久弥の日本百名山
一等三角点百名山
東北百名山(旧版)(新版)
越後百山
場  所 福島県、山形県、新潟県 yahoo地図
メンバー せんぼく隊(senboku隊長・たかちゃん副隊長)
時  間
距  離
山行2日間、 20時間14分(歩16:16+休3:58)
総沿面距離 26.2km
移 動



WC
《累積標高差》 2455m

《移動》車(ノア)
《飯豊トンネル東P》
3台、登山者用として60台位の駐車場情報があったが、関係者以外NGとなっていた。ロープを外せば簡単に入れるが、今回は使用しなかった。
《WC》
登山口なし、各山小屋あり(有料)
五段山 1,312m
牛ヶ岩山 1,402m
地蔵山 1,485m 2△地蔵山
剣ヶ峰
三国岳  1,644m
七森山 1,719m
種蒔山 1,791m 3△種蒔
飯豊山南峰 2,102m
時間&距離&標高差データ  ※標高・距離データはGPS値ですが、誤差あり。
コース 時間 歩行+休憩時間 コースタイム 距離 GPS累積標高差
7/28 川入切合登口(葡萄沢口)〜切合小屋(泊) 8:04 歩6:45+休1:19 6:30 9.6 +1379m−442m
7/29 切合小屋〜飯豊本山〜川入切合登口(葡萄沢口) 12:10 歩9:31+休2:39 9:15 16.6 +1082m−1984m
20:14 歩16:16+休3:58 15:45 26.2 +− 約2447m


大日岳(左奥)と飯豊本山(右手前)  7/29/8:00本山小屋の北側より
地図 & 標高グラフ
《 全行程 》
■7/27(日)■10:40茅ヶ崎発〜13:25葛西ガスト・昼食〜東北自・福島飯坂IC〜19:01米沢市レストラン・ヴェルデ〜
         20:04鷹山の湯〜21:43道の駅・田沢(泊)
■7/28(月)■)5:49道の駅・田沢〜飯豊町経由33km〜7:30飯豊トンネル東着〜
         7:49川入切合登口(葡萄沢口)〜飯豊山登山〜15:53切合小屋(泊)
■7/29(火)■5:47切合小屋〜飯豊山登山〜17:57川入切合登口(葡萄沢口)〜18:15飯豊トンネル東発〜
         20:00おいたま温泉「賜の湯」〜東北自・福島飯坂IC〜21:15吾妻PA(泊)
■7/30(水)■6:16吾妻PA〜7:25那須高原SA・朝食〜9:50羽生PA・鬼平江戸処〜12:19大黒P昼食〜14:11帰宅
《 アクセス 》
自宅〜東北自・浦和〜福島飯坂IC〜R13・米沢市〜日帰り温泉〜道の駅・田沢(泊)〜川西町〜飯豊町〜飯豊トンネル東口
※ 自宅〜福島飯坂ICまで340km、東北自・川口JCT〜福島飯坂ICまで265km¥7310(休日・夜間¥5720)
2日目、7/28(月)のルート
7:49 川入切合登口(葡萄沢口)スタート 830m
8:26 川入切合1,000m
9:26 五段山1,312m(休)
10:19 牛ヶ岩山1,402m
10:27 五枚山
11:00 御前山
11:09 (休35分)11:44
12:03 地蔵山1,485m
12:10 水場分岐
12:38 親子
13:00 剣ヶ峰(休9分)
13:28 三国小屋・三国岳1,644m
13:49 三国小屋発(休21分)
14:30 七森山 1,719m(休14分)
15:22 種蒔山 1,791m
15:53 切合小屋ゴール(泊)

《コースタイム》
6:30(予定8:30、結果8:04)
葡萄沢口→4:30〜5:00→三国小屋→1:30→切合小屋(泊)、6:00〜6:30
■3日目、7/29(火)のルート■
5:47 切合小屋スタート
6:26 草履塚 1,908m
6:47 姥権現
6:52 御秘所(オヒソ/オヒショ)
7:02 御秘所上の岩山ピーク1,882m(休10分)
7:19 御前(オンマエ)坂
7:45 一王子
7:51 本山小屋(休7分)・飯豊山南峰 2,102m
8:17 飯豊本山 2,052m8:43(休26分)
9:00 本山小屋
9:47 御秘所
10:24 草履塚
10:51 切合小屋 11:38(昼休47分)
13:08 三国岳・三国小屋 13:35(休27分)
13:56 剣ヶ峰
14:47 地蔵山、血ノ池
14:59 (昼寝休24分)
16:00 牛ヶ岩山
16:37 五段山 16:55(休18分)
17:30 川入切合(下降点)
17:57 川入切合登口(葡萄沢口)ゴール

《コースタイム》
9:15(予定11:45、結果12:10)
切合小屋→120→本山小屋→15→飯豊山山頂→15→本山小屋→90→切合小屋→75→三国小屋→3:20〜4:00→葡萄沢口 計8:35〜9:15

コースマップ

標高グラフ
■7/28(月)■ 記録写真
  かなり前から飯豊山の計画をたて、川入・小白布沢・葡萄沢・大日杉からのコースを検討していた。ところが喜多方市からの道路が通行止めで川入がNG。山形側から小白布沢へ入れるかもしれないが、民宿宿泊者専用林道なので閉鎖されているかもしれないのでNG。
残る大日杉か川入切合(葡萄沢)※を検討した。
大日杉は正規ルートで安心。一方、川入切合(葡萄沢)は標高を稼げるが、コースタイムなど未知数な部分が多く、利用者が少ない。どちらの登山口にするか、現地についてからも迷った。大日杉への分岐でも悩んだ。結果、情報が少ないルートを登って、情報を発信する側になろうと目論んで、川入切合(葡萄沢)に決定。


※2013年6月15、山形県飯豊町と福島県喜多方市を繋ぐ飯豊檜枝岐線の飯豊トンネルが開通した。そのトンネルの入口の川入切合(葡萄沢)登山口は標高830mで、飯豊の登山口としては高い位置にある。

 7:30 飯豊トンネルの東側
左が3台可能のP、登山口は道路向かいにある
飯豊トンネル前に60台位の駐車場があると、情報を得ていた。しかし、駐車場はあるものの、入口にトラロープが張られ、関係者以外NGとなっている。(左写真)
登山者=関係者だろうか?
。トンネル近くに3台分のスペースがあり、1台しか停まっていなかったので、そこに停めた。

7:49 川入切合登口(葡萄沢口)スタート
 
GPS≒833
我々の車を含めて2台だけなので、不安だったが、3台の駐車スペースの横には登山届けのポストがある。ということは正規ルート扱いなのかも?登山届けを出して、スタート。

少し進むと「飯豊山川入切合登口」の標柱。なぜ奥まったところにあるのか疑問だ。

登山道は下草が刈られているが、道が細く足元が危うい。頭も枝が危ない。お助けロープもある。丹沢で言えば地図に無いバリエーションルートのような感じだ。

8:26 川入切合 H=1,000m五枚沢登山口からのルートに合流。道標では我々が登ってきた登山口が「飯豊町ブドウ沢口」となっている。川入は紛らわしいので、このブドウ沢が解りやすい。
 半端じゃない急登にあえぐ。土斜面なので、下りが怖い。花はギンリョウソウだけで、急登に加えて鬱蒼としている。
予想外の急登に加えて、また
アクシデント発生。なんとサイフを車に忘れてきた。こんな時のためにリュックに予備費を入れていたが、今回はその予備費も入っていない。副隊長が1万円持っているだけ。
 切合小屋の連絡先に電話してみると、小屋の人に話をして後払いで良いと言う。助かった、戻ったら2時間のアルバイトになるところだが、その段階で切合小屋は時間的に無理だったろう。それにしてもこの山域で電話が通じたことに驚いた。

9:26 五段山1,312m(休)
ここは大日杉への分岐でもある。と言うことはこれから先は利用者が多いのではと思ったが、誰にも会わない。登山道も踏み跡は少ない。初めて視界が開け、飯豊の稜線の一部が見えた。

ギョェ〜登山道の真ん中に水芭蕉!稜線の登山道なのに湿地帯となっている。田んぼのようなぬかるみではないが、油断すると靴が埋まってしまう。

10:19 牛ヶ岩山1,402m
ピーク感の無いフラットな山頂で小休憩。

牛ヶ岩山の山頂付近には池塘があり、お約束のモウセンゴケ。

10:27 五枚山
古い看板には「オ豊ノ池」←「五?山」→「牛ヶ岩山」とある。
五?山=五枚山と思われるが、真意は不明。この山域のHPを見ても気にしている人はごく少数。
看板にあった「オ豊ノ池」は見逃してしまったようだ。

11:00 御前山
古い看板には「地蔵山」←「??山」→「オ豊ノ池」とある。
??山=御前山と思われる。地面に置いてあるだけなので、山頂の場所も定かではない。しかし、地図に山名が載っていない山こそ大事にしなければと、勝手に思う。
11:09 (休35分)11:44
約3時間、急登にアップダウンの連続に疲れた。体育座りで休憩していたら、あっという間に爆睡してしまったようだ。(本人は30分も経った気がしない)



鬼太郎の親父現る。「オイ、キタロー」と言っているような花は「ギンリョウソウ」なのだが、今にも歩いてきそうな雰囲気。

12:03 地蔵山1,485m
地蔵山の少し手前から三国小屋を捉えた。(写真右奥」)
ここの池塘?池?は「血ノ池」というぶきみなネーミングだ。この近くに地蔵があるはずだが、見逃してしまった。
※後日「血ノ池」について調べると、鉄分を含み赤い色の水をしていたらしい。現地では草が生い茂って色は見えない。
五段山〜地蔵山の稜線は湿地があり、湿地好みのギンリョウソウ、キンコウカ、モウセンゴケが見られ、マイズルソウは全域に群生している。他にはコメツツジ?、ウラジロヨウラク、ツマトリソウ、シロバナハナニガナ、ハナニガナ、ミヤマキンポウゲ、カラマツソウ、イワイチョウ、などが咲いている。

12:10 水場分岐

湿地帯から下ると飯豊山の山並みがみえる。、同定している暇はないので先に行く。
12:30頃から岩場になり、このルートで 初めて人に会った。小学生位の子供とお父さんが岩稜を下ってきたので、今日初めて、他の登山者と話をした。昨日、天気が大荒れのため、本山小屋に停滞し、今日下山してきたとのこと。飯豊トンネル前に停まっていた車ですか?と尋ねると、その通りだった。と言うことは、本日このルートを通るのは2組だけ?。超マイナールートを選んでしまったようだ。

岩稜を登るとまた岩稜。
アタック中の副隊長。四足歩行でがんばる。

13:00 剣ヶ峰(休9分)
危険な岩稜が飯豊では普通の登山道だ。鎖は最小限で安全は自己判断となる。緊張を強いられるので、剣ヶ峰で一息入れる。
剣ヶ峰からは厳しさ倍増。巻き道なんて甘い期待はしない方が良い。しかし、要所の岩にステップを彫ってあるので助かる。

ガシガシ登る副隊長。まるで四国の石鎚山のようだ。剣ヶ峰から先は岩稜の頂点を綱渡りするような感じで、バランスを失うと命はないだろう。
岩稜途中の水場は、ガレた崖にトラロープを垂らしてあった。後で、三国小屋の管理人さんと話をしたら、飲み水はガケ下から汲んでくるそうだ。

13:28 三国小屋・三国岳1,644m
 小屋の管理人さんは東北の良い人と言った感じで、話がとお酒が大好きなようだ。どのルートで登ってきているのか尋ねると、小白布と言う。どうやら、林道閉鎖はしていないようだが、駐車
場は狭いらしい。川入切合(葡萄沢)より1時間位早いらしいので、惜しいことをした。でも、飯豊はどのルートも時間がかかる。それが飯豊だと自分に言い聞かせた。

 弥平四郎ルートから大きなリュックの人が来た。弥平四郎の稜線から剣ヶ峰の方をずっと見ている赤シャツの人がいたと話したら、それは自分だと言った。なるほど赤シャツだ。どうやらバテバテでゆっくり休んでいたらしい。彼は管理人さんと話し込んでいるので、このまま引き止められるのでは?と思った。(次の日に会ったときに聞いたらやはり三国に泊ったとのこと)
13:49 三国小屋発(休21分)
地蔵山を過ぎてからの花は、ミヤマクルマバナ、カンチコウゾリナ、コゴメグサ(マルバコゴメグサ※)、オトギリソウ、ミヤマホツツジ、などが咲いている。三国小屋前にはセンジュガンピ、ミヤマクルマバナが咲き、管理人さんが書いたと思われる漢字の名前が付いていた。

13:59 三国小屋から先のルートもアップダウンが激しいようだ。後日調べたら右側のピークが地図にある1,719m峰で、七森山というらしい。

ハシゴあり、鎖場あり。アップダウンを繰り返す。

14:30 七森山 1,719m。(休14分)
山頂の岩盤で休憩した。山名標識は見当たらなかった。
進行方向に飯豊山らしき山を捉える。(南峰だった)

15:13 岩峰を越える。写真は三国岳方向。

15:22 種蒔山
遠目に大きい山だったが、着いてみると、標柱があるだけで山頂感がない。若干、巻いていたのかもしれない。この時点で思考能力は著しく低下し、疑問もない。

種蒔山からは雪解けが遅かったと見え、ショウジョウバカマ、コイワカガミ、チングルマなどの雪解け後の花が咲いている。また、遅い雪解け効果で、ヒメサユリの群生地を見ることができた。ピンクでも濃淡があり一輪一輪表情が違う。朝日岳のヒメサユリは有名らしいが、飯豊で堪能できたので、朝日岳は紅葉の時期にしようかなどと思いを巡らした。ヒメサユリで満足していたが、ハクサンコザクラも現れ、進めない。

ヒメサユリ
三国小屋〜切合小屋の花
 ニッコウキスゲ、ミヤマクルマバナ、タテヤマウツボグサ※、ヒメサユリ、カラマツソウ、アカモノ、ハクサンコザクラ、タカネマツムシソウ、・・・・・・・・・・など30種以上

ミヤマキンポウゲと思われる花の一輪だけが白い花びらだった。これは新発見か?

これまで種蒔山が立ちはだかっていたが、今度は草履塚が大きい。

15:53 切合小屋ゴール(泊)
小屋に着き、早速、持ち合せが無いことを伝えたところ、イヤな顔もせず承諾してくれた。初めての失敗が東北で良かった。三国小屋も切合小屋も人が温かい。

17:00 夕食は定番のカレーを2杯頂いた。缶ビール350が¥800円だったかも?。小屋には食堂がないので、ほとんどの人が外で食べた。食後の散歩に テン場へ。単独男性1名のみ。今日、御西小屋まで行ってきたそうで、明日は大日杉に下ると言う。大日杉から切合は7時間位だったとのこと。

先客に20人位の団体さんがいる。彼らは明日、大日岳を往復し、切合に連泊するとのこと。行動予定は12時間。なんとタフな人達だろう。その中の一人(福岡からの参加)と夕焼けを見ながら話をした。夕日は御西岳に沈み、 夜のとばりが下りた。
☆☆☆☆☆ 深夜、夜空を見上げると満天の星。久々に天の川が良く見えた。
小屋には電気が一切ないので星座観測にはもってこいだが、首が疲れた。☆☆☆☆☆
《 切合小屋 》
1泊2食¥7200、米3合持参の場合¥6200
水は小屋の外にあり、水量は多い。トイレは別棟で新しく、簡易水洗で臭気はない。
小屋の寝る場所は2階で、靴は2階で脱ぐ。電気は無い様なので、日没就寝となる。
2014年7月28日、川入切合登口(葡萄沢口)〜切合小屋の花
代表的な花は、マルバコゴメグサ、タテヤマウツボグサ、ヒメサユリ、ハクサンコザクラなどで、30種以上咲いている。
写真以外にコメツツジ?、ツマトリソウ、、ヨツバヒヨドリ、カンチコウゾリナ、ヤマハハコ、ハクサンボウフウ、などが咲いている。
ウラジロヨウラク キンコウカ ハナニガナ モウセンゴケ
シロバナハナニガナ/シロニガナ ミヤマキンポウゲ イワイチョウ
マイズルソウ
カラマツソウ
モミジカラマツは見かけなかった気がする。花の終りなので真ん中にコンペイトウのような種ができ始めている。
マルバコゴメグサ
飯豊山の特産種です。ミヤマコゴメグサに似ていますが葉の付け根が丸いのが特徴と言います。が、よく解らない。
タテヤマウツボグサかウツボグサ
ウツボグサには茎の基部に走出枝があるがタテヤマウツボグサには無いそうだが、見分けができなかった。
ミヤマクルマバナ オトギリソウ 、ミヤマホツツジ センジュガンピ
ニッコウキスゲ ハクサンシャジン/ツリガネニンジン クルマユリ トウゲブキ又はマルバダケブキ
白いミヤマキンポウゲ?突然変異? アカモノ ヒメサユリ
コイワカガミ シロバナノヘビイチゴ ショウジョウバカマ タカネマツムシソウの蕾?
チングルマ ヒメサユリ ハクサンコザクラ
●マルバコゴメグサ●
ミヤマコゴメグサにはいくつかの変種がありますが、マルバコゴメグサは飯豊山地に固有の変種で、葉が丸っこくて、葉のつけねがミヤマコゴメグサのようにくさび形にならず、丸くなるほか、鋸歯があまりとがらないのが区別点です。飯豊山地にはミヤマコゴメグサも分布するので注意が必要です。
●タテヤマウツボグサ●
ウツボグサより大形で、花の色が濃く鮮やかで見応えがある。ウツボグサには茎の基部に走出枝があるがタテヤマウツボグサには無いのが見分けるポイント。
■7/29(火)■ 記録写真

3時頃から早出の人達がバタバタしだした。今日は強行軍なので、いつもは遅いせんぼく隊も4時には起床。
4:44 輝く朝日ではないが、日は昇った。(写真中央)

解り難いので朝日をトリミングしてみたら
赤い月のような朝日だった。

4:48 今日も外で朝食。生卵とお新香と海苔のシンプルな朝食だが、自分で担ぎ上げないで食べられるので、贅沢は言うまい。
おかわりアリです。

朝ごはんを終えた人達が準備している。
朝日を浴びると美しいのは山だけではなくヒトも美しくなれる気がする。(気のせいかも?)

飯豊の山々が薄っすらとモルゲンロートに染まっている。
小屋から北に見えるのが飯豊山と思っていたが、本山小屋付近のピークとのこと。(南峰と一王子)飯豊本山はその陰にあるそうだ

5:47 切合小屋スタート
小屋の裏から大日岳が見える。朝日を浴びて二人のながーい影が大日岳へ伸びている。(大日は行かないけど)

タカネマツムシソウ、ハクサンシャジン咲く道を行く。朝から快晴で気持ちいい。40分位で何度か雪渓を越える。雪渓あるところにハクサンコザクラあり。(右写真)
少ないがシラネアオイもまだ咲いていた。たくさんの花が咲き楽しく歩く。

雪渓を登り、振り返ると、切合小屋の後ろに種蒔山が大きい。

6:26 草履塚 1,908m
はっきりとしたピークがあり、切合小屋から大きく見えていたので、山名が無いのが不思議。展望も良い。
《 草履塚の補足 》
2000年の考古学調査のHPを見たら、草履塚の鉄剣の写真が載っていた。しかし、鉄剣を見た覚えが無いのでさらに調べると、
2001年10月に登った人のHPに「鉄剣が盗まれたと聞いていた」とある。と言うことは、考古学調査後1年で盗まれたのか?

※草履塚の由来
飯豊連峰の中でも景観のすぐれたところで、参詣者の散米を集めて甘酒を造り、これを振る舞い、杖を貸したりしたという。また、ここで新しいわらじにはき替え、心身を整えて本社に向かうことになっていた。はき替えたわらじがうず高く積まれていたという。
6:26草履塚からの展望、大日岳
6:26草履塚からの展望、飯豊山
6:47 姥権現 
※姥権現の由来、伝説。女人禁制のこの山へ、古く羽前の米沢より登拝した「小松のマエ」と呼ばれる女人が神霊の怒りにふれ、石に化したという伝説がある。手を合わせ通過。

飯豊山方向の山なみで一番高い所には岩が見えた。後日、写真を確認すると、一王子の石垣だった。

 途中で、ダイモンジソウが咲いていた。すれ違う単独女性がここだけに咲いていると教えてくれた。ならばと写真を撮るが、あの細く白い花びらにピントを合わせるのは難儀だ。結果は、毎度のことだがピンボクだった。

6:52 御秘所(おひそ/おひしょ)
※御秘所の由来
ここを越す参詣道は上段、中段、下段の三つがあり、上段と呼ばれる頂近くを通るのは「山橋」とも呼ばれて比較的容易であり、下段と呼ばれる岩裾を通るのがもっとも容易であったが、多くはもっとも険しい中段の絶壁を、身体を岸壁に密着させながら前進する。

中段の困難な道をとるには、修験道本来の鍛成観にもとづくものであると同時に、もっとも容易に見える下段には「無間地獄」に通じる「口無し穴」があるという。この穴は見ても見えないものであり、聞かれても語りようのないもので、「御秘所」の名もここに由来するという。万一落ちれば生きて再びこの世に帰れない、いわゆる神隠しにされるわけである。

左の由来はよく解らないが、写真を見ると、我々は中段を通っていた。由来は後日見たので、もし、下を通っていたならガッカリだったろう。
三国小屋下の剣ヶ峰に較べると難易度は低い。長い登りにあって時に岩場も変化があって楽しからずや。
7:02 御秘所上の岩山ピーク1,882m(休10分)
このピークも名前が無くて残念。前を行く20人団体もここで休んでいたので広い。

左写真は岩山ピークより飯豊本山方向

御秘所上の岩山からさ先はお花畑通り

振り返ると足跡まで美しい

7:19 御前坂(おんまえざか)

7:45 一王子
《 一王子 の補足》
飯豊山中には、5王子にちなみ、かつては5箇所の社が設置され、各社には虚空蔵菩薩坐像が毎年の参詣登山期間に背負って運ばれ、1体ずつ安置された。現在も御前坂から山頂に至る地名に一王子から五王子までの名前が残されている。王子は、参拝者にとって、祈願を行う霊場であり、遭難者を保護したり、物資を補給する場所でもあった。一王子は、今でも飯豊山頂付近にある貴重な水場であり、キャンプ場でもある。

7:51 本山小屋(休7分)(飯豊山南峰2,102m)
手前の別棟がトイレで、切合と同じシステムだ。(有料)

小屋の玄関を覗くと、飯豊山の赤シャツ、赤キャップを売っている。缶ビール350ml¥1,000。買わないので驚くことは無いのだが、・・・切合より200円高い。飲兵衛は大変だ

鳥居をくぐると、らしからぬ建物に飯豊山神社があり(四王子)中には巫女さん?がいた。目が合ってしまったので、霊力で中に吸い込まれ、参拝した。信仰の山なので、物見遊山の我々はバチが当たらないようにお祈りした。
休んでいる団体さんを交わして先に出発した。
8:00 切合小屋を出てから2時間13分、やっと飯豊本山の全容を見た。これだけでも心躍るのに、足元には噂の「イイデリンドウ」そして「ヒメサユリ」も微笑んでいる。なんという幸せだろう。
選んだルートが失敗だったとか、他のコースが近かったとか、もうどうでもいい。道中の苦しさはこの展望と花で掻き消えた。(キガスル)


ちょっとケバイ 「ヒメサユリ」


イイデリンドウ
飯豊の固有種であるイイデリンドウ発見!登山道の両脇に10m位に渡って、ごく狭い範囲にだけ咲いているのが不思議。風や水の条件がイイデリンドウに合った所だけに生息しているのであろう。特徴は簡単に言うと、の花びらの間にある小さい花びらが開かず立っていること。花びらが5枚の花と6枚の花があった。どちらもイイデリンドウの特徴に合致していた。

大日岳(左奥)か、飯豊本山(右手前)  7/29/8:00本山小屋の北側より
8:17 飯豊本山 8:43
(休26分)
山頂には数人だけで、

山頂は飯豊本山、五王子とも言われる。一等三角点が設置されている。
ところで、二、三王子はどこだったのか疑問だが、巡礼ではないので、パス。
飯豊本山、山頂と大日岳(左奥)

山頂の標柱が裂けていた。雷が落ちたのだろうと団体ガイドさんの推測。

 山頂からの景色は雄大で、縦走への挑戦を駆り立てるような山なみだ。ワクワクするが、車に戻ることが基本のスタイルでは難しい。北アのような車の回送があればきっと縦走していただろう。

三角点全景

一等三角点:飯豊山 2105.15m

飯豊本山、山頂からの展望。 西方向

西から北に向かう尾根は烏帽子岳・梅花皮小屋の尾根

北方向の尾根は「大ー尾根」で飯豊山荘に下る。

西(大日岳)から北(大ー尾根)のパノラマ

東南(本山小屋)から西(大日岳)のパノラマ
山頂で写真を撮ってくれたオジサンは奇抜な帽子を被っている。よく見ると畑仕事のアネサン帽子かもしれない。右上パノラマ写真の右端に写っていた。そのオジサンと1週間後、北アルプスの爺ヶ岳で再会した。アネサン帽子の登山者は他にいないので声を掛けたら本人だった。石巻の方で3人で来ていた。
山頂で追いついてきた団体さんが、大日岳に向かって行ったのはウラヤマシイ。20人いたはずだが、数えると5人減っていた。本山で5人残ったのだろうか?この先、御西小屋で何人か残り、体力のある人だけが大日岳を踏めるのだろう。

8:43 飯豊本山より下山開始
本山小屋を超えたらこの景色は拝めないので振り返り、立ち止まり眺めては満足感に浸る。

帰りもイイデリンドウを見ながら歩く。
何度見ても遠い大日岳。

今回は最初から計画外だったが、心の隅には行ってみたい気持ちがある。大切にとっておこう。

9:00 本山小屋
10:24 草履塚。登ってきた登山者は弥平四郎から日帰りと言う。それも67歳。ビールを三国に2本、切合に1本置いてきたという。下山はビールがエネルギーなのだろう。
三国まで越されなければ我々の勝ち、と勝手に決めて下る。

10:51 切合小屋 11:38(昼休47分)
デポしたリュックを回収し詰め替えし、昼食。小屋前での食事は3回目となった。水が豊富でおいしかった。
管理人さんにお礼を言って下山する。

途中、修験者?とすれ違う。リュックを背負っているが、正装?のようだ。修験者が小屋に泊まった時、お金をもらったらバチが当たるかも。と二人で話をしていた。

13:08 三国岳・三国小屋 13:35(休27分)気温23度
管理人さんが看板のペンキ塗りをしている。
剣ヶ峰の岩場で、岩にステップを彫り、岩角を欠いて踏みやすくしていたことを話したら、管理人さんの仕事だったそうだ。感謝を伝えると喜んでいた。

修験者からお金をもらえないよね?と言ったら、さっきジュースを買ったのでお金をもらったよと笑っていた。

13:56 剣ヶ峰
岩稜は下りの方が怖かった。登りよりコースがわかり難く、下が見えるので高度感を感じる。
三国小屋の横にいる二人がずっと見守っていた。管理人さんだろうか?(真意は聞けないので不明)。
14:47 血ノ池
休憩にはネーミングが宜しくないので通過したが、足取りが怪しくなってきた。

14:59 (昼寝休24分)
たまらずリュックを枕にバタンキュー。
後日、気づいたが往路もこの付近で寝たようだ。何かあるのか?・・・
そばで副隊長が熊の心配をしていたそうだ
次回からはラジオを持たねば。

16:00 牛ヶ岩山
復路もオ豊ノ池に気がつかず通過したようだ。
後日、由来を調べたら、深田久弥氏といっしょに登った女子高生の名前から付けたそうだ。

16:37 五段山 16:55(休18分)
三国小屋の管理人さんが言っていた。「五段山のルートは五段以上あるよ」と。疲れるはずだが、ここまで来たので、明るいうちに下山できるメドがたった。大休憩し、重石になっていたフルーツのパックや予備食のパンを減らした。といっても体は重くなるのだが。

車がポツンと1台
五段山から、 往路に懸念した土の急坂を下る。つま先が当たって痛いので、靴紐を締めなおした。

17:30 川入切合(下降点)
下降点からの道は細く危うい道だった。1日経つと忘れているもので、よくこんなところを登ったものだ。

17:57 川入切合登口(葡萄沢口)ゴール
。やはりこのコースは不人気で、利用者がいないようだ。急登ありアップダウンあり時間がかかるが今となっては楽しかったコースなのに・・・。
2014年7月29日、切合小屋〜飯豊本山の花
代表的な花は、タカネマツムシソウ、ハクサンコザクラ、シラネアオイ、イイデリンドウ、ヒメサユリ、etcで、30種以上あった。後日、二人でもう花の写真を撮るのは止めようかと話をしたぐらい多く、写真で疲れてしまった。
こんな花があったよと、後日でも解るようにパチパチ撮っているが、このスタイルは卒業したいと思う。

写真以外に ショウジョウバカマ、ウラジロヨウラク、マイズルソウ、イワベンケイ、ヨツバシオガマ、ヒメサユリなどが咲いている。
ハクサンシャジン/ツリガネニンジン ミヤマホツツジ ミヤマクルマバナ ミヤマアキノキリンソウ
ヤマハハコ ハクサンフウロ クルマユリ マルバイワシモツケ?
タカネマツムシソウ ハクサンコザクラ シラネアオイ
ミヤマウスユキソウ イイデリンドウ イイデリンドウ
ミヤマダイモンジソウ シモツケソウ イワオウギ ハクサンオミナエシ
イワギキョウ? シャクナゲ オオバギボウシ ニッコウキスゲ
●ミヤマウスユキソウ●
別名、ヒナウスユキソウ、秋田駒ヶ岳、鳥海山、月山、飯豊山、朝日連峰など東北地方の日本海よりの高山に分布する。
●イイデリンドウ●
ミヤマリンドウを基本種とする変種で、飯豊山地に特産する
基本種のミヤマリンドウは、花冠の副片が花冠裂片とともに平開するのに対し、本種は花冠副片が開花時に直立し、花喉を被う。萼裂片は反り返らない。

↓三角点のデータ↓
山名
コード
等級
点名
標高
牛ケ岩山
TR35639569101
三等三角点
牛ケ岩
1401.80m
未確認
写真ナシ
山名
コード
等級
点名
標高
地蔵山
TR25639568001
二等三角点
地蔵山
1485.22m
未確認
写真ナシ
山名
コード
等級
点名
標高
種蒔山
TR35639559801
三等三角点
種蒔
1790.99m
未確認
写真ナシ
------------------------------------------------------
山名
コード
等級
点名
標高
飯豊山
TR15639652601
一等三角点
飯豊山
2105.15m
山名
コード
等級
点名
標高
御西岳
TR35639651401
三等三角点
西ケ岳
2012.48m
今回のルート外 山名
コード
等級
点名
標高
西大日岳
TR25639559101
二等三角点
小大日嶽
2091.80m
今回のルート外
今回は飯豊山の三角点を確認したのみに終えた。事前に調査をしていなかったこと、それどころではなかったことで牛ヶ岩山、地蔵山、種蒔山を見逃してしまった。簡単に行ける山域ではないので惜しいことをした。
↓勉強コーナー↓
■双耳峰■
切合小屋から見た飯豊山の前衛峰の立派さに、さぞ名がある山だろうと調べていたら、「飯豊山は双耳峰」「三角点のある北峰2,105m」「飯豊山神社がある南峰2,102m」の記載HPがある。
標高は3mしか違わない、鞍部は約30mの下り、南北の峰は700m程度の距離なので、確かに双耳峰となっている。
 
↓その前に↓
《7/27、登山前日の風呂》
鷹山の湯
 0238-37-7526
スーパー銭湯のような感じで温泉ではないようだ。
24:00まで営業しているので遅くなってもOK
¥450(休日¥550)
↓それから↓
《7/29、下山後の風呂》
おいたま温泉賜(たま)の湯」 0238-37-4126
鷹山の湯より遠回りだが¥300円に惹かれて、はるばると。

21:40まで。食堂は15:00まで。
↓後記
サイフを忘れるなんて初めての失敗だ。ルート選択も失敗だったかも。
7/27の移動日も首都高速で道間違いをして千葉に行ってしまい大失敗だった。
と、失敗だらけだったが、山は良かった。大展望あり、ヒメサユリやイイデリンドウも見られた。失敗を忘れるほどの感動を味わうことができた。でも、もう一度と言われたら、今は無理。忘れた頃に、今回の反対側の梅花皮(かいらぎ)小屋の稜線を歩いてみたいものだ。
今回の山行は飯豊の一端を垣間見たに過ぎない気がした。それほど飯豊は大きかった、広かった、そして辛かった。その辛さはいずれ忘れ、あの雄大な山なみだけが思い出されるだろう。
《データ》
カメラcanonS95、sony-TX5、計656枚
車での走行距離は、956km
通行料¥11,600(往:休日30%、復:夜間30%利用)  計6諭吉
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HP03-337

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雄大な山なみも辛さも皆、いいで
飯豊山(いいでさん)

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